ここでは、4月15日ALMA MELLIZAでお話した「時間」について、更に考察を深めていただくために、
ルノルマン・スクールに掲載したものを参考としてアップしておきます。
お読みになってわからないところは質問をお寄せください。
ルノルマンスクールでみなさんに教えている36枚引き「グランタブロー」は、
タブローの中に出てくるシッター(リーディングを受ける人のこと)の思考パターンや、行動パターンを読み解き、同じようなネガティブなパターンを繰り返さず、未来に目的にスムーズに進んでいけるように、「未来の書き換え」を行うという、めずらしい手法を用います。
普通、リーディングというものは、読み解くだけの行為ですが、そこからどのように行動すればよいかなどの行動指針を示したり、未来ビジョンを創り上げたりするところまで関われるのが、ルノルマンスクールのグランタブローです。
この手法をとることで、今までに何人もの人たちが、望む未来への道をスムーズに歩きはじめているだけでなく、
目前にある障害を回避したり、結果がやってくるまでの時間を短縮したりと
魔法のようなことを自然に起こしたり、引き寄せたりしています。
実際に、この手法を教えている私でも、なぜ、そのようなことが起こるかの説明がうまくできなかったのですが、
クロノスとカイロスという「2つの時間」という概念が、パズルを置き換えるかのように、物理的な時間と内的な時間がグランタブローの上で未来への筋道を創り始めるという現象の説明がしやすいのではないかと考えました。
そこで、ルノルマンカードに興味のある方にも、時間の魔法に興味のある方にも、なるほどと思っていただけるような説明を展開してみたいと思います。
イタリアの政治思想家、マキャヴェッリは『君主論』の中で「運命について」「チャンスの神様は滅多に会えないが、偶然すれ違うときがある。運良く出会ったら前髪を捕まえろ。 すれ違ったあとではもう遅い。なぜなら後ろがハゲてるからつるつるで捕まえられない」と、記しています。
また、ダヴィンチはチャンスの女神には前髪しかないという言い方をしたそうです。
この「チャンスの神様」や「チャンスの女神様」とは、 いったい何がもとになっているのでしょう?
それは、ギリシア神話に登場するゼウスの息子カイロスのことです。
カイロスは、両足に2対の翼をもっており、長い前髪があるのに、頭の後ろは禿ているという不思議な容貌です。
瞬間やタイミングを表すカイロスは、別名『偶然の神』とされていて、そこから派生してチャンスの神とされています。
さて、このカイロスに対してもう一つの時間を表す神がギリシア神話にいます。
それがクロノスです。
クロノスは「時の翁」。
時間を表す神でコンスタントに刻まれる物理的なルールとしての時間を表わします。
ローマ神話のサトゥルヌスのように手には大鎌を持ち、命を刈り取る象徴でもあります。
カイロスは「長い前髪とつる禿の後頭部を持つ少年」で、
「時刻」「瞬間」「タイミング」や、人が体験する内的な時間を意味する神様です。
この2つの「時間」の関係が、あなたの人生の中でバランスがとれるかどうかによって クロノス時間に閉じ込められたり、
支配されたりする人生となるか、
カイロス時間だけを追い求め、クロノス時間とアジャストしないために、何事も成就しない人生となるか
はたまた、クロノスとカイロスのバランスをとることで、
そこからエネルギーを生み出す人生を送るかがはっきりとしてくるのです。
時間が足りない!と思うことが日常生活の中で発生したとき、
時間をうまく扱おうとする 多くの人は、
1日の時間をいかに使うかという時間割を創り始めます。
朝早く起きて、勉強する、散歩するということを時間区切りで行えば タイムマネジメントができると思うからです。
1日を24時間で割り、それを更に学校の時間割のように分割しながら、分刻みのスケジュールをそこにいれていく。
言い換えれば、そのようにしてクロノス時間という物理的な世界に発生している時間を区切っていくのです。
お茶の時間や、休み時間もそのようにしてコントロールしていくこともできます。
このような方法で、まるで「時給計算」をするかのように、時間の中にエネルギーを均等分割した生活はできたとしても、
時計のようなロボット人間のようになってしまい、人として意味ある時間をもつことができなくなってしまうことがあります。
もっと、お休みが欲しい。
友達と語り明かしたり、時間を気にせずに、旅に出てみたい・・・。
そんな欲求が強くなってきて、ついにタイムマネジメントしたスケジュールからドロップアウトしてしまう。
時間が優先ではなくなり、自分にとっての価値や意味が優先となります。
人間として意味ある時間を持とうとしたとき、クロノス時間は消失します。
あたかも、愛と美と希望がクロノスを征服してしまったかのようです。
さて、下の図は 2つの時間、クロノス時間とカイロス時間を右と左の大円。
この2つの時間がうまく噛みあわさってできるエネルギーを中心の大円(点線)とした 3つの円の関係を描いたものです。
今、皆さんが持っている時計は、文字盤が一つのクロノス時計かデジタル時計ではないかと思いますが
この図は、左の大円がクロノス時間、右の大円をカイロス時間この世にないクロノスカイロス時計です。
クロックという英語は、「クロノス」からきているのですが、この時計はカイロス時間も表すので、時計を表す言葉のクロックとカイロス時間を合わせて、カイロクロック時計と仮に名づけることにします。
クロノスとカイロスの統合体である、カイロクロック時計の特徴は、ほかの時計には絶対にない エネルギーが湧きだす部分がある点です。
中心の菊の御紋章のようなところから、エネルギーが湧きだしてきて、クロノス時間とカイロス時間の双方に影響を与えます。
まるでブラックホールとホワイトホールのように、いらなくなった時はここから消失し、新たなエネルギーとなって噴出するのです。
この中心の円から湧き出すエネルギーの仕組みを「時は金なり」と表す人もいます。
子供の頃の時間のほとんどの時間は、カイロス時間です。
就学年齢になると、クロノス時間に合わせる訓練を施されるので、時間や予定に従って生きることができるようになります。
一旦、クロノス時間の中に入っても、子供たちはカイロス時間の世界に簡単に戻ることができますが、
自分で計画をたてて時間の組み立てをするというクロノス時間のテクニックを使うことは、まだまだ難しい状態です。
しかし、時間割で決められた中で勉強をしたり、遅刻をすると怒られることがわかってくると、クロノス時間に合わせられる人のほうが、大人に認められていくということがわかってくるので、クロノス時間に合わせる術を手にしていきます。
勉強の内容が増えてくると、クロノス時間が足りなくなってきます。
夜遅くまで勉強しても、成績が上がらないなど、難しい問題が出てきたり、 1日24時間というクロノス時間が圧倒的に足りなくなってくるのです。
そこで、
小さい時に浸っていたカイロス時間にど~んと戻って、クロノス時間に圧迫される生活から逃避してしまう人も出てきます。
1日中、好きなことができるカイロス時間にいれば、きっと楽だろうと思うからです。
しかし、子供の頃のようなカイロス時間には、戻ることができません。
一旦入ったクロノス時間から出るためには、クロノス時間と隣接するためのカイロス時間に参入しなおさければならないからです。
また、厄介なことに、一度クロノス時間の世界に入ると、クロノス時間の中でちゃんと生きられないことに罪悪感を感じるようになるのです。
もっと厄介なのは、この世にはクロノス時間しかないというような錯覚に陥って、そこで生きられない自分は、脱落してしまったように感じ始めることです。
多くの人は、そのクロノス時間の中での自分を評価し始めます。
でも、本当はこの世界には2つの時間があって、そのもう一つの時間がカイロスという時間だということに気づいた人たちは、全く違う考えに至ります。
それはいったい、どんなことなのでしょう?
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